本間良二(スタイリスト、2-tacs代表etc.)

2013/12/03
by up cycle

【SIGN at Upcycle Market 】 

 

FEATURES3回目は、スタイリストとして第一線で活躍し自身のブランド<2-tacs>を展開しながら様々な表現活動をされている本間良二さんです。UPCYCLE MARKETの池尻大橋のショールームにて、このショールームでは初めての展示「SIGN展」を開催中(12/26まで)。ファッション、アート、小説と多才な活動を続ける本間良二の世界感を聞いてみました。by スタッフ)                                                                       

                                                                                                                                      (インタビュー/写真 福井香菜子)

 

 

 

 

 

 Upcycle Marketのショールームで個展が始まった本間良二さんを訪ねた。

 

本業はスタイリスト。

 

サインペインティングや、小説やコラムの執筆など、様々な活動をおこなっている。「今回はインドアの展示なので、いろいろ華奢なものが作れて楽しかったです」と、語るとおり展示はサインペインティングのほか、鉛筆画、ポラロイド、来場者が自由に押せるハンコといった繊細な作品も並んでいる。

 

「もともとアートはすごい好きですね。個展は、場所を持っている友達が多かったこともあり、声かけてもらって、そのときにおもしろいと思ったものを2011年まではよくやっていました。例えば、展示してあるお花をお客さんに選んでいただいて、その場でステンシルという手法でTシャツに転写する[枯花展](2006年)や、戦闘服という軍モノの背景をファッションという真逆の発想にリメイクした[The fuck army展](2009年)。とりあえず思いついたらすぐやる。でも、動いてから、あちゃーってなることもあります(笑)」

 


【サインペインティング】

 

 

 サンフランシスコで見た手描きの看板が、本間氏とサインペインティングの出会いだった。昨年はサンフランシスコのサインペインティング工房[New Bohemia Signs]を取材し、自ら写真と原稿を担当した。「現地での取材はかなり影響を受けましたし、勉強になりました。工房でおこなわれていたワークショップに参加している人達の中には、グラフィティライターだったり、ウェブのデザイナーの人もいて、別々のところから派生した文字たちが融合していて、その間口の広さに可能性を感じました。みんなもコンピューターから出力された文字に飽きていて、手描きの魅力にまた戻ってきてる、と」日本においても、そういう風潮は大いに感じられる。

 

自身のお店【The Fhont Shop】では、洋服の他にサインペインティングの塗料や筆も販売していて、ワークショップ(まだ一回目)もおこなっているそう。「サインペインターの人達の着ている普段着も、塗料がベッタリくっついちゃったりしているけど、とてもかっこ良くて文化を感じるし、ファッションだなとおもいます」

 

 

【ファッションからの広がり】

 

 

中学時代から大の服好きで、高校時代はスケーター、その後はスタイリストのアシスタントを経て20歳でスタイリストとして独立。

 

自身のブランドBrown by 2-tacsを舵取りしながら2008年に小説【ブラウン伯爵】を描き始める。当時、お店でBrown by 2-tacsの商品を買ったお客さんに【ブラウン伯爵】をセットで渡していた。

 

「その時期、洋服ってなんだろう?服の本質ってなんだろう?って考えていました。それは柄でもなく色でもなく、きっとその素材の糸が持つ情報なのでは?と思ったんです。それは暖かいとかラクだとかいう着心地の話で、本人にしかわからない情報。そこで、色は茶色のみに絞った服を作っていて、言いたい事は小説で言おうってことをやっていたんです」

 

服から始まった、この活動の広がりを本間氏自身どう感じているのだろうか。

 

「もともと文字や絵を描いたり、料理をしたり歌を唄ったりって、生活に組み込まれているもので、全然特別なものなんかじゃない。ミュージシャンだけが音楽やって良いって訳じゃなければ、それこそ洋服だってスタイリストやデザイナーだけのものじゃない。今は何でも分業化されているけれど、そういうのはあまりにももったいないと思う。サインペインティングのように、手で描く魅力は、どんどん上手になっていくことだったり、やることによって謎が解けていくこと。わからない事を手探りでやっていくことや、時間がかかる事って案外おもしろいんですよ。」

 

 

 ファッションのふところ】

 

 

 

 「服っていうのは、ファッションのほんの一部で、ファッションというのはいろんなものを内包する、とっても懐が深いものだと思います。常にフレッシュな印象を与えながら、アート、ミュージック、カルチャーも受け入れる、それこそ受け皿が広いもの。そういう意味では俺はいまファッションをやっていると言えるのかもしれません」

 

今回の作品の中に、来たお客さんが誰でも押す事ができるハンコがある。帰り際に押してみると、○のなかに[戦争反対]の文字が写った。

 

堅すぎず軽やかに意思表示が伝わる。

 

ハンコを押す楽しさとウキウキは、良二さんのいうファッションの魅力なのだろう。

 

 

 

【本間良二】

 

  • 1975年、東京生まれ。雑誌やブランドカタログ、ミュージシャン・俳優などをスタイリングの傍ら、1998年、古着の再生(リメイク)ブランド「2-tacs」を立ち上げる。2007年、東京・池尻に同ブランドのショップ「The Fhont Shop」をオープン。2008年、素材・茶色に焦点をあてたブランド「BROWN by 2-tacs」を立ち上げる。そのコレクションと毎シーズン連動する小説「ブラウン伯爵」を2-tacs文庫より創刊。ブランドメッセージを物語として発信する。またライフワークとして、古着や花などをモチーフに絵や立体作品を制作し不定期に個展を開催する。
 

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